旅2日目  5月6日

国道9号線を西に走ると、
鳥取市の外れに「因幡の白兎」伝説で知られる白兎海岸白兎神社がある。
朝早かったため訪れる人もまばらで、地元のおばあちゃんが散歩しているぐらい。

白兎海岸から少し9号線を戻り、内陸に入ったところにある湖山池をぐるりと巡る。
日本最大の池らしいが、「池」と「湖」の違いってなんだろう?

湖山池から少し走り、気高郡鹿野町に着いた。


↑白兎神社から日本海をのぞむ(鳥取市白兎:鳥取)


鹿野町は亀井茲矩(これのり)公の城下町として、昔の面影を町並みに残している。
鹿野城は山城で、山頂の天守閣跡までは片道10分の山登り。      
えっちらおっちら登りつめた山頂は
眼下に城下町、遠くに気高町と日本海が見渡せる絶好のビュースポット!
観光で来る人は少ないと思うけれど、意外に穴場。

ところで、先ほどから私が写ってますが、あまりまじまじと見ないでね。恥ずかしいデスヨ。
やはり思い出として自分の写っている写真も撮りたいんだけど、撮ってくれる人を探すか、
セルフタイマーで撮らなければならないのが一人旅のつらいところ。
タイマーで自分の写真を撮る旅人をたまに見かけるが、ハタから見るとけっこうマヌケだ。

しかも僕の場合は、ポーズをとるとかじゃなく、「旅先でたそがれている自分」を撮る傾向があり、
他人に見られでもしたら、さらにマヌケです。


↑鹿野城の天守閣跡 恥ずかしいので画像ちっちゃいよ
(鹿野町←現鳥取市:鳥取)


鹿野から県道で気高町にでて、再び9号線を走る。

ところで、この旅は平成16年5月に行ったのだが、今このHPを製作しているのは11月。
半年の間に、相当な数の市町村が平成の大合併で消滅してしまった。

実はこの旅は、合併で消える町村をできるだけ訪れて、
町のパンフレットを役場などで頂戴するという目的があった。
そのため、かなり訳のわからないルートを通った旅だったが、
普通は観光で訪れないような地域の風景に出逢えたり、
役場の方や町の人のローカルな話が聞けたりと、
今までとは一味違った楽しい旅となった。

※平成の大合併以前、日本には3,100あまりの市町村が存在しました。
名所や名産で名の知れた町もありますが、大半は縁がなければ一生知ることのないような町村です。
しかし、その町の住民や出身者にとっては、慣れ親しんだ故郷の名前です。
合併前までは当たり前に存在していた「町」や「村」が、
新市(町村)の1パーツに埋もれてしまう。
合併の功罪を語るような深い知識は僕にはありません。
しかし、その地域の個性が、フィルターをかけたように見えにくくなる ということは避けられないと思います。
せめて、旅で通り過ぎた町村を忘れないように、
この旅行記では、僕がワダチを残した自治体全てを表記しています。(水色の文字で記しています)



↑鹿野城跡から日本海を望む(鹿野町:鳥取)


9号線は気高町、青谷町を通り東伯郡泊村に入った。
泊村は人口約3100人の小さな村。
ここはいまやゲートボールにとって変わった「グラウンドゴルフ」発祥の村だ。
海を見ようと上った高台には、立派な施設がでんと構えていた。

泊村から県道で東郷湖へ。
東郷湖は淡水と海水の混ざったいわゆる汽水湖。
エビやワカサギ、シラウオのほか、ヤマトシジミという希少なシジミが獲れることでも有名。

東郷湖から倉吉市に入り、国道179号を南下、三朝温泉郷三朝町)に到着。
「ブランナールみささ」という外国のお城のような町営温泉で入浴。


↑東郷湖 四ツ手網漁の仕掛け
(東郷町←現湯梨浜町:鳥取)


三朝温泉から戻ること15分、倉吉市打吹(うつぶき)に到着。
倉吉は江戸時代、商人の町として栄えたところで、なかでも打吹地区には白壁の土蔵が今も残っている。
近くにあるアーケードの商店街をぶらりと歩く。



↑打吹(うつぶき)地区の町並み(倉吉市:鳥取)


倉吉から国道179号を北上すると「ようこそハワイ温泉へ!」といった看板が迎えてくれた。
ここ羽合(はわい)町は「日本のハワイ」でまちおこしをしていて、本場のハワイと姉妹都市提携もしている。
が、ハワイ温泉寂れまくってた・・。巨大な廃ホテルがあったし。
今はもう「ハワイ町」ではありません。(H16年10月、合併で消えちゃいました)


↑羽合町にて(羽合町←現湯梨浜町:鳥取)

羽合町から西に少し走り、大栄町に着いた。
この町は、マンガ「名探偵コナン」の作者の故郷ということで、
町のあちらこちらにキャラクターの置物がある。
・・・はずなんだけど見つからないまま通過。



↑9号線を逸れて旧道に入ってみた(名和町:鳥取)



↑9号線をひたすら西へ!(大山町付近?:鳥取)

9号線で赤碕町名和町などいくつもの町を越え、西伯郡淀江町に到着。
淀江町の中心から少し離れたところに、
「名水百選」のひとつ「天の真名井(あめのまない)」がある。
名水っていうから山の中かと思いきや、集落の中にある小さな林から湧き出ていた。
空のペットボトルを満タンにしてさらに西へ。


↑天の真名井 水車小屋の奥が水源(淀江町高井谷:鳥取)


西へ、と言いつつ実はちょっと南下して西伯郡のいくつかの町をぐるりと走った。
岸本町はお隣りの日野郡溝口町と合併して来年「伯耆町」に、会見町西伯町も2町で合併の予定。
ちなみに会見町にはあの「とっとり花回廊」がある。
このあたりは、どこからでも大山(だいせん)が拝むことができた。



↑かなり日が傾いてきた・・・(伯太町←現安来市:島根)

西伯町から県道1号線で伯太町に着く。
ここはもう島根県。
陽も落ちてきた。
なんとか夕暮れまでに松江に行って宍道湖の夕日が見たい。
しかし松江〜安来間の9号は以前、大渋滞にはまった記憶がある。
で、もう一度地図を見てみると、抜け道っぽい県道と広域農道を発見。
これが大正解の快走ルートでした!


↑宍道湖にて(松江市、玉造町境付近:島根)

なんとか間に合ったー!
というより間に合ってなかったのかも・・。上の写真の5分後に完全に日が落ちた。
てここ進入してよかったのかな?工事現場っぽいところだった。入っちゃってごめんなさい・・・。
このあと嫁が島松江城なんかをちゃちゃっと見て松江大学方面へ。
ラーメン屋さんでお腹を満たしてマンガ喫茶で一休み。
この日の車中泊場所には悩んだ。
昨日の寝場所があまりにも殺伐としたところ(9号沿いの駐車スペース)だったから、
今夜は道の駅とかがいいなー、と。
しかーし一番近い道の駅は、明日行きたい大根島とは逆方向・・・。
逡巡の後、道の駅「秋鹿(あいか)なぎさ公園」まで愛車を走らせ1泊。

旅3日目へ
ルートマップへ
ホームへ