旅13日目 5月17日


「道の駅めじかの里」を早朝に出発。
すぐ近くにある竜串海岸へ。
海岸の岩が波で侵食されて、陸に串が刺さっているように見えることから名づけられた。
「竜串」の「竜」とは竜臥山のこと。
有名な観光地のわりには遊歩道が大雑把にしかない。
(と思っていたが、どうやら竜串観光のメインを外れたところに行ってたみたいだ。)
途中、漁師さんに「今日は波が高いから気をつけて」と言われた。



↑竜串(土佐清水市竜串:高知)


↑この写真を撮った次の瞬間、思いくそこけた・・・。「串」の上はすんげー滑る

竜串から「足摺サニーロード」の名称がある国道321号で、土佐清水の市街地に入った。
ジョン万次郎の生まれ故郷である土佐清水市は人口18000人。
町はまだ静寂に包まれていた。空気が澄んでいる。
市街を抜け、国道348号で足摺岬へ。
岬付近には旅館が立ち並んでいて、こんな朝からも観光客がちらほら歩いていた。



↑土佐清水市汐見町付近の国道321号


↑足摺岬灯台(土佐清水市)


↑足摺岬からの眺め

足摺岬から狭い狭い県道27号で小さな集落をいくつか通り抜け、再び国道321号に合流。
国道を北上して「土佐の小京都」中村市に着いた。
中村市はこのあたりでは一番大きな町。
久々にお目にかかったコンビニでお腹を満たしたあと、四万十川を県道340号でさかのぼる。
日本最後の清流、とよく言われる四万十川には、
沈下橋といって増水時に沈む橋がいくつも架けられている。
「佐田の沈下橋」はいちばん市街地寄りにあるため、訪れる観光客も多い。


↑佐田の沈下橋(中村市:高知)


↑”橋の上に車を止めないでね”という看板がありました。ゴメンナサイ・・・

再び中村市街まで戻り、国道56号で高知市を目指す。
幡多郡大方町、佐賀町を抜け高岡郡窪川町に到着。
窪川の市街手前で県道325号にそれ、
さらに県道53号で狭い峠道を越えると興津の集落が見えてきた。
興津の集落を県道から一歩なかに入ると、緑色の垣根をもつ家がそこらじゅうにある。
これは「土用竹」という細い竹を植えて塀にしたもので、昔は高知県の海沿いでよく見られたらしい。
今では、土用竹の生垣が集落規模で残っているのは興津ぐらいとのこと。
国道から離れた盲腸線の山道の果て、という隔絶された場所にあるがゆえに
今まで残っていたのかも知れない。


↑土用竹の生け垣(窪川町興津:高知)


↑夏になると剪定されるとのこと

地元のおばちゃんが散歩されていたので少しお話を伺った。
「今(5月)は一番生け垣が荒れている時期。毎年夏に
剪定をするの。ただ、管理していくのが面倒で、
生け垣を壊してブロック塀にする家が多くなってきたよ」とおっしゃっていた。


興津から再びうんと狭いグネグネ道を戻り、国道56号に出る。
窪川町を抜け、中土佐町を過ぎると須崎(すさき)市に入った。
人口27000人の須崎市は、ミョウガの生産量が日本一らしい。
この小さな町は数年前から「鍋焼きラーメン」
なるものをご当地ラーメンとして観光客に売り込んでいる。
その元祖であるお店に入った。
これがおいしかった!ボリューム満点で、鍋だから最後まで熱いままってのがうれしい。


↑鍋焼きラーメンの元祖、「橋本食堂」(須崎市:高知)↑


56号線は須崎市を抜け土佐市
市の中心高岡町で県道39号に移り仁淀川沿いを北上、伊野町に入る。
まだ小腹がすいてたので、もう1杯ラーメンを食べつつ、
国道33号で高知市に突入した。



↑伊野町のラーメン屋さん前(高知)


↑国道33号と土佐電鉄伊野線(伊野町:高知)

高知市に入り県道44号で、高知市北部の”ある建物”を目指す。
高知市薊野(あぞうの)に着いた。
確かこのへんだよなー。住所は・・あってるなぁ・・・。
コンビニに入りお姉さんに聞いてみる。
「『沢田マンション』ってどこですか?」
お姉さんは当たり前のように知っていた。
教えてもらったとおり、来た道を少し戻ると・・・・・・!!



↑沢田マンション(高知市薊野)

「沢田マンション」とは、管理人の沢田さん夫妻が2人で造り上げた
脅威の完全手作りマンション。
5階建ての鉄筋コンクリートマンションのハンドメイドは、
世界でも沢田マンションだけという話もある。

僕がこのマンションを知ったのは
「探偵ナイトスクープ」という番組で何度か紹介されてから。
探偵の桂小枝の
「これって違法建築では!?」という問いに
沢田さんが「うーん、まぁそうなるかな(笑)」
答えていたのが印象的だった。

沢田さんのご家族の方に
「中を見学してもいいですか?」と尋ねると
こころよくOKしていただけました。



↑1971年、第一期工事終了。以後も増改築が続き
現在は地上6階、地下1階の立派なマンション。



↑入り口には沢田さんの
「発動機コレクション」が鎮座



↑ここをクルマが上っていく・・・


↑ここ何階だっけ?


↑自分が今何階にいるのかわからなくなる・・・


↑これでもマンションの5階なんです


↑屋上は畑??





このマンションの生みの親、沢田さんの半生を綴った「沢田マンション物語」という本を購入した。
沢田さんの部屋の玄関には、ここを訪れた有名人のサインがいっぱい。こえぴょんのもありましたよー。
ご家族の方、突然の訪問こころよく応対していただき、本当にありがとうございました。





鉄格子(?)みたいなのはエレベーターなんです
沢田マンションは現在も入居者募集中なのかな?家賃はメチャ安いみたい

沢田マンションの公式ホームページはこちら

沢マンをあとにして国道55号まで走る。
次に目指すは安芸市。

南国市、野市町を過ぎ、香美郡赤岡町の駅に立ち寄る。
赤岡町は人口3300人。日本で2番目に面積が狭い町
(一番狭い町は長崎県高島町←軍艦島のある町)
開業して間もない土佐くろしお鉄道赤岡駅の構内には、
路線内の駅のマスコットキャラクターが陳列してあった。
どれもみんなマヌケでよろしい。



↑あかおか駅(赤岡町:高知)

55号は赤岡町、香我美(かがみ)町を抜け、夜須(やす)町へ。
道の駅で一服しつつ芸西村を通り安芸市に到着した。
安芸市の市街から少し離れた田園地帯に、「土居廓中」と呼ばれる集落がある。
ここには武家屋敷が今も残っている。
午前中、興津で見た土用竹の生け垣がここも健在だった。
そして有名な「野良時計」もこの集落にある。
野良時計は明治30年につくられ、現在も時を刻み続けている。


↑野良時計 家屋は非公開(安芸市土居:高知)


↑生け垣が立派な武家屋敷(安芸市)


↑野良時計のある土居の家並み(安芸市)


↑国道を逸れて土佐湾を眺めつつ一服(安芸市赤野付近?)

安芸市から来た道(55号)をひたすら戻る。南国市まで戻る。
この日の寝床は決まっていた。大豊(おおとよ)町にある民宿。
むかし一度泊まったことがあり、明日の予定ルート的にもいいロケーションにあったから。

南国市から国道32号を北上。じょじょに山深くなっていく。
土佐山田町をかすめ大豊町へ。


大豊町までくるとあたりは真っ暗闇。コンビニもない山の中の町。ただ、国道32号は瀬戸内側と高知を結ぶ大動脈。
大型車などがひっきりなしに走っている。民宿はこの32号沿い。到着は9時頃。
お風呂を沸かして待っていてくれていたので、まずは入って一段落。外にはビールの自販機がかろうじてあった。
南国市のコンビニで買っておいたポテチをつまみにしてテレビを見つつ1泊。


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