旧中央線(中央西線) 高蔵寺〜多治見間の廃トンネルたち
6号トンネル(隠山第二隧道)



この区間のトンネル群で3番目の長さを誇る(333m)6号トンネルは、
愛岐処分場へ向かう赤い橋を渡りきった左手にポッカリと口を開けています。
道を挟んで右手には、7号トンネルが頭を見せています。

今日は日曜なので、ゲートは閉まっていました。
少し後ろめたい気分で隙間から侵入・・・。



6号は相変わらずおどろおどろしい姿を晒していました




トンネル前に架かっていた橋は撤去されており、沢に下りるほかは近づく術がありません。
岩を足がかりに下り、また登ったのですが、地盤がとても脆く
岩に足をかけた途端グラッときます。
2人連なって下りるのは危険なので、間隔をあけて進みます。
沢をわたり、枯れ草木の繁る斜面をトンネルのある方向によじ登りました。
そしてトンネルの真横、やや裏側に到達。




6号トンネル多治見側





他のどのトンネルよりも変色し、部分的に赤茶けたポータル。
これが遠くから見て不気味さを醸し出していたんです。
茶色な部分の正体はカビが変色したもの?よく分からないです・・・がモコモコしていました。
翼壁、と言うのかな?両側にある三角の部分が木で突き破られています。すげー。


入ります・・・




入り口付近には工事関係の注意書き?が散乱していました。
隅の一斗缶とおぼしき朽ち果てた容器に空き缶が詰まっていました。
いくつかほじくりだして並べてみます。デザインからして70年代でしょうか?
牛乳瓶は「日新のコーヒー牛乳」と書かれていて、180ml。調べてみると180mlの牛乳瓶は昭和45年迄の規格で、
それ以降は200mlが主流になったとか。
ただひとつ、みなれたペットボトルが・・・!賞味期限は99年10月でした。





入ってすぐの天井は、他でもみられたコンクリ補強がしてあります。
出口の明かりは見えません。でも塞がっていないことは通り抜ける風でわかります。
この区間、土岐川は弧を描くように流れていますが、トンネルもそれにならって緩やかに曲がっています。





路面の状態は同区間全てのトンネルでイチバンです。
バラストも枕木の嵌っていた窪みもそのまま。木片が時々落ちているぐらいです。
あっ、コウモリのフンはあります。あと洞床の両端に巣穴がありました。なんの巣?マムシ?








6号トンネル定光寺側 
愛岐道路から、こちら側の坑門はほとんどうかがい知ることができません。
かろうじて上部が見えるだけ。最初は崩れちゃってるんでは?とも考えていました。
ここに来て納得です。見えるわけが無い・・・。完全に草木のベールに覆われています。





見てくださいこのアーチ!なんと七重に巻かれています。
建設工事の最中、こちら側の坑門で大きな崩落がありました。
この付近の地質は脆いらしく、当時の記録によると特に5〜7号は崩落、漏水が続出した難工事だったようです。
この念入りな巻き立てに建設時の苦労が垣間見れました。
あれっ、アーチのとこに何かついてる・・・


何て言うのかな?トンネルの看板?これって現役時からあったもの?
初めて見た!これには興奮した。





ポータルを見上げると、トンネルが何かを語りたがっているかのように感じました。
前々から6号トンネルに対して畏敬のような感情を持っていたので、そう見えたのかも知れません。
ポータルの全容をカメラに収めようと試みましたが、やはりムリでした。
写真では分かりませんが、6号多治見側や他のトンネルにもあった三角の翼壁が、川側にあります。
しかしここのものは、トンネルを庇うように線路に平行に造られていました。


いざ5号トンネルへ
側壁のハシゴを登ってみた・・・

6号方面を写してみたけど、なんにも見えませんね


あれっ?もう着いたよ!?
6号から100mも来ないうちに5号トンネルがコンニチワです。

5号トンネルへ


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