旅15日目 5月19日

道の駅マイントピア別子を朝早く出発。
別子銅山東平(とうなる)地区に車を走らせる。
狭い山道を昇っていくと、別子銅山の資料館などがあった。
昨日の「旧別子」と違い、観光的な整備も行き届いていて、安心して訪れることができる。


「住友のインカ」とも形容される、東平地区の遺構
一見荒れているように見えるが、上部に整備された階段がある


いったいどういった役割の建物だったんだろう?
歴史資料館に行けば分かると思うが、早朝だったので開いていなかった








本当は登ってはいけません 許して

東平から県道47号線で新居浜市に出て、国道11号線で西条市に向かう。
このあたりは、昨夜銭湯やコインランドリーを求めて彷徨ったところだ。
夜は交通量も少なかったが、日中はさすが幹線道路、往来が激しい。
国道11号の加茂川橋で、川沿いの道に入る。
地図で見るとこの付近に「うちぬき」なる名湧水があるらしい。
辺りは一面麦畑。お百姓さんに場所を尋ね、「加茂川左岸うちぬき公園」に到着。喉を潤す。
西条市の「うちぬき」は、石鎚山から流れる伏流水が自然に湧き出た「自噴水」。
この「うちぬき公園」だけではなく、市内の至る所に湧き出ている。

一服していると、雨がポツリポツリと降り出した。



加茂川左岸うちぬき公園(西条市西泉甲?:愛媛)

再び11号線に出て、小松町に入った。県道144号で丹原町を経て
一般道で東予市の内陸、ローカルな風景の中を朝倉村に向けて走る。
今治市に隣接する朝倉村は、今治に取り込まれ、村は消滅する。
役場で村のパンフレットをいただいた。
朝倉村から県道162号で今治市に入り、国道196号に合流。市街に向かう。
渋滞に巻き込まれつつ、今治城に到着した。

今治城は1604年、藤堂高虎によって築城された平城。
現在の天守閣は昭和55年に再建されたもの。
雨が降っていることもあって、城内は人もまばら。天守閣独占状態でした。


今治城(今治市:愛媛)

国道196号線を北上、大西町に入った。
この町も合併の話があるので、役場でパンフを貰おうと訪ねたのだが、
役場に近づくとなにやら祭囃子が聞こえてきた。
車を駐めて、賑わいを見せる神社に行ってみた。
神社の階段を幾つもの神輿がゆっくりと降りてくる。
その前では子供たちが獅子舞を演じている。
旅の途中で偶然めぐり合うお祭りは、今まで何度かあるけど何か得した気分。
この日はそんなに先に進む予定では無かったので、ゆっくり見物することにした。
電柱に貼られたポスターには「大井八幡大神社 大祭とあった。


大西町の春祭り 大井八幡大神社 大祭(大西町:愛媛)


幾つもの神輿が15分以上かけて
ゆっくりゆっくり降りてきた


ケンカ神輿 ここ、神社の境内じゃないんです

なんと、国道196号線で神輿ぶつけあってる!もちろん国道は一時封鎖&大渋滞


天下の国道でやってくれます

 
神輿はこのあと商店街を通り、海に出て、そこからが祭りのメインだったのだが、
さすがにそろそろ出発しなくては。
車に戻り、県道15号で波方町へ。
波方町から今治市の波止浜に入った。
波止浜は日本有数の造船工場が集まる港。巨大タンカーが停泊し、夥しい数のクレーンが空に伸びている。



波止浜港の造船工場(今治市:愛媛)

港を跨ぐ古めかしい橋を渡り、造船工場の中を抜け、来島海峡を望む糸山公園展望台に到着。
日本三大急潮の1つにあげられる来島海峡は、「海の銀座」と呼ばれるほど船舶の航行が多い。
展望台では、大きな荷物をバイクに縛り付けたライダーが、来島海峡大橋を写真に収めていた。



しまなみ海道 来島海峡大橋を糸山公園から望む(今治市小浦町:愛媛)
国道317号に出るとすぐに「しまなみ海道」今治北インターがあった。
しまなみ海道は瀬戸内海の島々を経由して広島・尾道市に至る3つ目の本四連絡ルートだが、
橋でこそつながっているものの高速道路としては未完成な区間が在り、
島を走る一般道を利用しなければならない。
ただ、僕の場合は島の全てで高速を降りて、島を巡るつもりなので全く問題無かった。
先ほど展望台から見た来島海峡大橋を渡り、大島は吉海町に入った。
国道317号で大島の北の町、宮窪町へ。
驚いたことには、こんな小さな島にもコンビニが進出していることだ。
今は、高速道路が未開通だから下道の国道を皆利用しているけど、
全線開通したらコンビニは閑古鳥が鳴くんじゃないか?大丈夫?

宮窪町の役場で例によってパンフをもらい、すぐ近くの公民館へ。
公民館の2階は「村上水軍資料館」になっている。
村上水軍とは南北朝時代〜戦国時代に瀬戸内海を牛耳っていた海賊。
「俗に三島村上氏と呼ばれる、能島・来島・因島の三家からなり、互いに強い同族意識を持っていた。
戦国時代になると、村上氏は、その強力な海の武力を背景に、瀬戸内海の広い地域を支配し、
国内の軍事・政治や海運の動向をも左右した」
(宮窪町HPより)
ここ宮窪町の水軍は「能島水軍」とのこと。
余談だが、岡本喜八監督の「戦国野郎」という映画に、秘密裏に火縄銃を運ぶ役で
水軍が登場していた。村上水軍なのかはわからないが・・・。



おそらく左の島が「能島」 水軍の本拠地だった
道は県道49号(宮窪町:愛媛)


村上水軍資料館(宮窪町:愛媛)
大島北インターから大島大橋を渡り、伯方島(伯方町)へ。
いわずとしれた「伯方の塩」の産地だ。
国道317号で町の中心部へ向かった。
中心部はしまなみ海道のインターとは逆方向にある。
島を一周する道路は、役場付近からローカルムードが濃くなり、狭い県道で中心部を抜けると
塩田の跡地が道の横に広がっていた、。現在は車えびの養殖に使用されている。
島を一周して伯方島インターに戻り、道の駅へ。
4日後には家路につくので、そろそろお土産を買っておかなくては。
が、道の駅定休日でした・・・。



伯方島を一周する県道50号(伯方町北浦:愛媛)

伯方島から、橋を渡り大三島へ。
この島は上浦町、大三島町の2つの町から成る。
大三島インターで降りて、県道21号で上浦町を通過、大三島町の大山祇神社(おおやまずみじんじゃ)に着いた。
大山祇神社は、国宝に指定されている武具甲冑の8割が保管されていることで有名。
イマイチ興味が沸かないのと1000円は高いよってことで、そのお宝は拝見しなかった。
小雨交じりの神社の境内は人もまばら。樹齢2600年のクスノキがどっしりと構えている。



大山祇神社のクスノキ(大三島町:愛媛)

神社横の道の駅で「伯方の塩セット」を購入。
そのあと妙に活気のある小さなお土産屋さんに入ってみた。
店のおばちゃんが「お土産にタオルどう?」といってきた。
午前中通った今治市は、タオルの生産量が日本一の町。
タオルの絵柄はどれも着物姿の女性。おばちゃん曰く、
「お湯につけるとスッポンポンになるよ!」
このタオル、どっかほかの観光地でも見たなあと思いつつ、5枚ほど買ってしまった。

再び大三島インターに戻り、多々羅大橋で生口島(瀬戸田町)へ。ここから広島県。
すっかり御馴染みになった国道317号で島を通過、生口橋で因島(因島市)へ。
国道を走っていると「因島水軍城」が見えた。
行きたかったんだけど閉館間際だったので断念。因島市の中心部に立ち寄りつつ再びしまなみ海道へ。
因島大橋で向島(向島町、一部尾道市)へ渡った。


因島の国道317号 この写真を撮った直後、雨が激しさを増した(因島市中庄:広島)

土砂降りのなか、向島から尾道大橋で本州上陸。
尾道と言うと、僕は映画監督・大林宣彦の「転校生」を思い出す。
有名な神社の石段など、ロケ地をみて回りたかったのだが、この雨ではチト無理だ・・・。残念無念。


尾道大橋(尾道市:広島)


尾道市内国道2号線 左の歩道陸橋は「転校生」で
使われていた(と思う・・・)

2号線を西に走る。尾道は坂の町として独特の風情ある景観が有名だが、
2号線沿いの古ぼけた商店が連なっているのも見てて飽きない。と言っても雨であんまり見えないけど。
国道沿いのラーメン屋さんで尾道ラーメンを食べた。
以前は「朱華園」という有名店で食べたんだけど、今回のお店も美味しかった。


尾道ラーメン まいうー


こんなん飲みつつ2号線を福山市方面へ

福山市に突入。しかし福山は広い。中心部に出るまでもうしばらく2号線をゆく。
福山市の南に「鞆の浦(とものうら)」という港町がある。
明日はそこに行きたかったので、もうこれ以上先に進む必要は無い。
雨も降ってるしマンガ喫茶にでも行くか。
福山市街に到着。福山城がライトアップされていた。
市街から少し南に走るとありましたマンキツが。


マンキツでまったりと・・・(福山市:広島)

マンキツを出たのは午前0時頃、雨も小降りになっていた。
芦田川に架かる水呑大橋を渡り、県道72号で沼隈町へ。
沼隈町にある「道の駅アリストぬまくま」で、おやすみなさい。

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