テンタクルズ

1977年製作  イタリア映画

監督  オリバー・ヘルマン
出演  ジョン・ヒューストン   ボー・ホプキンス
       ヘンリー・フォンダ     シェリー・ウインタース

1975年、スティーブン・スピルバーグ監督の「ジョーズ」が公開、
世界中で記録的大ヒットとなった。
これに目をつけた映画界は、人間を次々に色々な動物に襲わせ、
「動物パニック物」というひとつのジャンルを築いた。
「グリズリー」は熊、「オルカ」はシャチ、「キラー・ビー」は蜂、
「スクワーム」はミミズ、「SF巨大生物の島」はネズミ、
「フェイズIV」は蟻(これは傑作)・・・。

巨大タコが人間を襲う
この「テンタクルズ」も、
そんななか作られたひとつだ。

最初に言っておこう。
この映画はつまんないですよ。
じゃ、なんで紹介するのかと。
それはこの作品が愛すべき映画だから。

この映画、出演者の顔ぶれが凄い。
ジョン・ヒューストン、ヘンリー・フォンダ、
シェリー・ウインタース。

往年の名俳優たちが、なぜこんなイタリア製バッタモン映画
出ることになったのかは永遠の謎です。

粗筋はこう。

あるのどかな港町の浜辺で、謎の失踪事件が相次ぐ。
死体はどれもあり得ない傷み方をしていた。
この事件が、巨大なタコによるものと知った老練記者の
ジョン・ヒューストンは、
港で進められている工事とタコの巨大化に因果関係があるとにらみ、
工事会社の社長・ヘンリー・フォンダを追及する。
一方、ダイバーでシャチの調教もしているボー・ホプキンス
調査のため呼ばれるが
同行していた妻がタコに襲われ死んでしまう。
そんなデンジャラスな状況にもかかわらず、
町主催のヨットレースが予定通り幕を開けた。
レースには、ヒューストンの妹・シェリー・ウインタースの息子も
参加していた・・・。
まず、巨大タコの襲撃シーンだが、
画面上でなにが起こっているのか全くわからないのだ。
冒頭で、バスが横切ったあと、赤ちゃんが消えているという演出はいい。
しかし、岩場の近くでデブが襲われるシーンは訳分からん。
デブが一人で勝手に沈んでいくだけ。
そしてデブの連れの死にっぷりも笑える。
犬神家の一族よろしく水面に足だけ出した逆立ち状態で浮かんでるのだ。
ヨットレースのシーンの水面に出たタコの頭は、
まるで小学校の学芸会の大道具並み
ラストの戦い(?)なんて何が起こってるのかさっぱりアイドンノー。
途中出場のボー・ホプキンスがいつのまにか主役になってるし。
てゆーかフォンダとヒューストンは何処行ったんだ!?
2人とも中盤から全く姿を現さないままTHE END・・・。

と、まぁこの作品はツッコミいれながら観れるという楽しさがあるのだが、
それよりも僕が「テンタクルズ」を好きな理由。それは音楽だ。
タコ襲撃時の
テーマ曲がやたらとカッコいいのだ。
「海洋パニック物」には全く似つかわしくない曲調で、
この違和感がたまらなくいい。
特にヨットレースの襲撃シーンは白眉。
そしてこのシークエンスに限っては、編集も気合入りまくり。
まるで
テーマ曲のプロモーション映像のようだ。
ストップモーションなんかも使って、意味もなくカッコいい!
ただ、それが作品の出来の良さに繋がるかというと、
悲しいかな全く
NOである。
相変わらず学芸会の大道具が水面をウロウロし、
ヨットが自分からひっくり返っているだけというショボさ。

パニック映画の見所である襲撃シーンがショボショボというのは
致命的にアウトだ。
ラストのタコとシャチ(!)の一騎討ち(?)の音楽もこれまたアツい。
いまにも
海が割れ、数十万のヘブライ人たちが押し寄せてきそうな壮大な旋律。
しかしだ。このシーンもまた映像が・・・ショボい以前に・・・
全くなにしてるかわからん・・・。

まぁ、そんなこんなで、どんなに他人にクソ映画と言われようとも、ボクは「テンタクルズ」が好きだ。
思えば、中学3年のある夜、確か火曜日だったと記憶しているが
夜8時から放送された「テンタクルズ」。
局はもちろん
テレビ愛知(テレ東系)だ。
観終わって最初に思ったこと、それは
  「なぜゴールデンタイムにこの映画を流したのか理解できない」
「木曜洋画劇場」では、さすがにやらなかったな。覚えている限りでは。
だがもしやったとしたら、木村奈保子さんちゃんと解説するんだよな。すごいな、あの人は・・・。

ちなみに最近、近所のビデオ屋さんの店じまいセールで、この「テンタクルズ」のビデオを300円でゲット。
家に帰り、嬉々としてテープをデッキに入れると、
ビデオデッキが壊れた

テンタクルズ恐るべし。
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