旅12日目 5月16日

朝起きても、雨は降り続いていた。霧もかなりでている。
とりあえず安全運転で先に進もう。
「道の駅瀬戸町農業公園」を出発。


↑道の駅瀬戸町農業公園 すごい濃霧(瀬戸町:愛媛)

人口2500人の瀬戸町を抜け、伊方町へ。
そして保内町に着くころには、霧も薄くなり視界が良くなった。
保内町から国道378号で長浜町を目指す。



↑瀬戸内海・伊予灘沿いを国道378号は走る(長浜町櫛生:愛媛)

国道378号は瀬戸内海に沿って走る。
喜多郡長浜町に到着した。

長浜町には「赤橋」呼ばれる開閉橋がある。
昭和10年に造られたこの橋は、道路の開閉橋で現役で動くものとしては日本最古。
とはいっても実際橋を動かすのは観光用に週1回だけとのこと。



↑長浜大橋(通称:赤橋) (長浜町:愛媛)


この赤橋が跨ぐ肱川には毎年冬になると
「肱川あらし」という、冷気を伴った霧が強風に乗って
長浜町に吹き下りる自然現象が起きる。
このときは5月なのでもちろん見れなかったが、いつか見てみたい。


↑昭和10年完成 この頃に造られた橋ってどれもカッコいいね

長浜町から肘川沿いの県道24号で、伊予の小京都大洲(おおず)市に着いた。
古い町並みの残る城下町の物産館に車をとめ、散策。

近くに「おはなはん通り」という道がある。
なんでも大昔のNHK朝のドラマのロケ地らしい。
雨もあがっていて、地元の人たちがウォークラリーをしていた。



↑明治の町並み 武家屋敷と商家が軒を連ねる  (大洲市:愛媛)


↑おはなはん通り(大洲市)

駐車場に戻ると、中学生の女の子たちがお饅頭屋さんの販売の仕事をしていた。
なんでも、社会勉強の一環らしい。
屈託ない笑顔で「大福はいかがでしょう!」と言われたら買うしかないよね。



↑まいうー(大洲市観光案内所のお土産屋さんにて)

大洲から国道56号を西に走る。
大凧で知られる五十崎(いかざき)町をかすめ、内子町へ。

内子は木蝋(ろう)でかつて栄えた町。
まず内子座という芝居小屋に向かった。
大正時代に建てられた内子座はいまも現役。
舞台下の「奈落」と言われる地下室には舞台装置などがある。



↑内子座(内子町:愛媛)



↑内子座の「奈落」

内子座のある六日町から、観光のメインである八日町まで歩く。
うだつのある家が多い。
内子の名家「旧芳賀邸」は修復工事中だった。

帰りがけに国道沿いの道の駅「フレッシュパーク」で昼食。
ここから先のルートは、しばらくコンビニも食堂もない。



↑六日町の町並み(内子町)


↑まいうー(道の駅フレッシュパークにて:内子町)

内子町から国道379号線で小田町を目指す。
国道も1.5車線になり一気に山深くなる。

上浮穴郡小田町は人口3700人。
はっきりいってなにもない辺ぴな町。
四国の山間部は道も狭く、山深く、町村も素朴でお気に入り。
なにもないところが逆に旅心をくすぐる。


↑国道379号線(小田町突合:愛媛)

小田町で県道55号に入り河辺村方面へ。
この道は県道とは名ばかり、極狭く林道並みに路面が荒れている。加えて降り続く雨。
土砂崩れを想像するとちょっと怖くなってきた。


↑県道55号笹峠(小田町・河辺村境:愛媛)

笹峠を越え、河辺村に入った。
狭い山道を下っていくと、小さな集落が見えてきた。
河辺村には「屋根つき橋」という、その名の通り屋根のある木橋がいくつも架けられている。
おもに農道として江戸時代から造られており、
一時期は「マディソン郡の橋」の日本版として紹介されたこともある。

この北平集落にある「御幸の橋」は明治19年に造られた。
ここから少し下ったところにある「帯江橋」はかなり立派なつくり。
屋根つき橋は農作業の休憩場所、地元民の井戸端会議の場として
河辺村に定着していったとのこと。



↑御幸の橋(河辺村北平:愛媛)


↑帯江橋(河辺村)


↑帯江橋は直して間がない?
中はきれいだった



↑河辺川沿いに謎の民家を発見!



(肱川町:愛媛)↑


肱川町で国道197号にいったん出て旧野村町で県道29号に移る。
なぜ「旧」野村町かというと、そう、ここも大合併で今年4月消滅した。
この野村町と宇和町、三瓶(みかめ)町、明浜町、城川町が
合併してできたのは西予(せいよ)市。でかすぎだよう。

野村町(西予市)の中心は意外にひらけている。久々にコンビニを見た。
宇和町(西予市)で県道31号に移り三間町へ。
道の駅で休憩しつつ宇和島市に入った。
宇和島に来たのは今回が2度目。そのときは宇和島城に行った。
ひたすら石垣をのぼると、天守閣が広場にちょこんとあったのを思い出す。
今回はどこも立ち寄らずに市内をスルー。



↑宇和島市 国道56号(宇和島市新田町:愛媛)

国道56号は津島町を過ぎ、小さな小さな内海(うちうみ)村を抜け、
(※役場に村案内のパンフをいただきに行ったら、担当の方がわざわざ自宅からきてくださいました。
日曜日だというのに・・・。ありがとうございました)
南宇和郡御荘(みしょう)町に着いた。

御荘町に到着したころには5時をまわっていた。
ドライブインで西海町の外泊までの道を聞く。
県道293号で海に突き出た半島の海岸線を走る。
広狭入り混じった県道で西海(にしうみ)町外泊集落に到着。


外泊のバス停前(西海町外泊:愛媛)

外泊は山の斜面のわずかな土地にある集落。
ここの家はほとんどが軒の上まで高い石垣に囲まれている。
冬の強風と高潮を防ぐための石垣。

石垣に囲まれた路地をのぼる。
明治時代にひらかれたこの集落は、いまがちょうど立て替えの時期なのか新しい家が多かった。
石垣の上が空き地になってるところもいくつかある。
不便さに耐えかねて出て行ったのかなぁ・・
こうやって旅の途中に立ち寄るには本当にいいところだけど、
いざ住むとなると大変だよなぁ。


 
↑外泊の石垣集落(西海町)








外泊の小さな商店で買ったマニアックな菓子パンを食べながら、西海町をあとにした。
県道34号で城辺(じょうへん)町まで出て国道56号に合流。
一本松町を越え宿毛(すくも)市に入る。
宿毛は市とはいっても小さな町。
だが平成になってから開業した鉄道の駅周辺には、
大型スーパーなどのチェーン店ができはじめていた。

本屋さんに立ち寄ったりしつつ、国道321号で宿毛を出て大月町へ。
ここまでくると交通量もかなり少ない。



大月町を抜け暗闇の中をひた走る。土佐清水市に入り少しすると竜串海岸という景勝地がある。
明日はまずここを見よう。んでちょうどいいところに道の駅があった。
「道の駅めじかの里土佐清水」で1泊。ここは寂しかった。
道の駅の駐車場は大概、大型トラックや普通車も何台か仮眠しているものなんだけどここは1台もいなかった。
しかし、寝ようとすると1台の車が入ってきた。そして自販機でジュースを買い去っていった。
このあたりは11時までやっている店なんかない。てゆうか自販機さえない辺ぴなところ。
この道の駅の自販機はこのあたりの人には貴重なんだろう。
このあと何台もの車が入れ替わり立ち代りジュースを買いにきていた。

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