旅1日目 前半

2005年6月3日PM8:00出発




今回の車中泊旅行は、4泊5日。行き先は関東地方。
午後8時、愛知県尾張旭市の下宿先を出発。
明朝までに横浜到着がとりあえずの目標。

今回の旅行記も、
通過した全市町村&道路を書き記しているので
文章は斜め読みをオススメします。

さて、まずは愛車マリノ君に燃料補給っと。
嗚呼、ガソリン価格の高騰が痛い。118円って一体・・・。

長久手町の愛知万博会場を横目で見つつ、
豊田市へ。この辺りは僕の庭のようなものだ。


レギュラー118円、いやはや・・・
(長久手町にて:愛知県)


国道155号で豊田市中心部まで行き、国道248号で岡崎市へ。
岡崎市内八帖交差点で国道1号線に合流。
ここからは国1をひたすら東京に向けて走ることになる。
車線変更を繰り返し、生き馬の目を抜くようなシビアな走りをする大型車たちと8時間近く付き合わねばならない。
コンビニで僕も燃料補給をして、いざ。

岡崎市、音羽町、豊川市を経て豊橋市へ。
国道1号線は路面電車のレールを横切り、市郊外に向かう。大型車たちが熾烈なバトルを繰り広げている。
愛知県と静岡県の境は、以前は潮見坂という旧道が国1だったが、現在は浜名バイパス、
浜名湖大橋が無料化しており、国道指定されている。
弁天島付近の混雑とも無縁になった国1は、浜名湖を眺める余裕もないほどあっちゅー間に浜松市をスルー。

天竜川を渡り、豊田町を抜け、ジュビロ磐田と東海道見附宿で知られる磐田市を過ぎ、袋井市へ。
次の町、掛川市でバイパスを降り、吉野家に入った。
炙りチャーシュー丼とかいうキワモノをオーダー。こいつは・・・いただけない・・・。

金谷町を抜け、大井川を渡り、島田市藤枝市、岡部町
夜の国道1号はたんたんと愛車を東に進めてゆく。

宇津ノ谷トンネルを越えると、とろろ汁で知られる丸子宿の看板があった。
ここはもう静岡市。2004年、静岡市はさくらももこの故郷・清水市を飲み込んで区制を施行した。
国1「静清(せいしん)バイパス」は静岡市をハイペースで抜け、由比(ゆい)町へ。
駿河湾に面した僅かなスペースを東名高速、国道1号、東海道本線が走る。
まさに東海道の大動脈。広重の絵もさることながら、現在の薩埵峠(さったとうげ)からの眺望の素晴らしさは
よく知られている。(喜八監督の「ジャズ大名」で使っていたのは可笑しかった)


セブンイレブンでひとやすみ。
国道1号はひっきりなしに大型車が走っていた。
(由比町:静岡)


由比町、蒲原(かんばら)町を過ぎ、富士市へ。
百人一首で御馴染みの田子の浦の地名が標識にあった。
この町はその昔、製紙工場が原因の大気汚染と
ヘドロによる汚濁で、公害の街という
不名誉なイメージが定着してしまった。
ゴジラシリーズ最大の問題作「ゴジヘド」のヘドラも
この街が生んだ怪物だ。
しかし、国1から見えるコンビナート群の夜景は
なかなかキレイだった。

富士市、沼津市、駿東郡清水町を抜け、
箱根の西の玄関口、三島市へ。



三島の市街を過ぎると、国道1号線は次第に
ローカルな雰囲気を漂わせ、山中に入ってゆく。
小田原までの20キロほどの区間は
険しい峠道のため、大型車は沼津インターで
東名高速に移るみたいだ。
もう6年ほど前だろうか、この道で
走り屋さんたちがわんさと集結しているところに
出くわした。
今回も少々期待?をしていたのだが、
この日はチラホラ走っている程度だった。
箱根峠を越え、神奈川県箱根町へ。
初めてこの区間を走る人には「これ本当に国1かよ?」と
驚くようなひなびたグネグネ道が続く。
そして強羅温泉付近でついにあの国道1号の
センターラインが消えた!
1号線で中央線のない部分なんて
おそらくここだけじゃないかな。

箱根町宮ノ下(神奈川)付近の国道1号線

国道1号線は小田原市に突入。
途中右左折を繰り返し市街地を抜ける。
二宮町、大磯町を通り抜け平塚市に入った頃には、東の空が明るみ始めた。
相模川を越え、茅ヶ崎市、藤沢市。交通量がぐんと増える。
そしていよいよ横浜市へ。戸塚区で国1の旧道、戸塚駅方面に入り県道22号、17号(環状2号)で
磯子(いそご)区屏風ヶ浦へ。ここで国道16号と一瞬合流。そして中区の県道16号不動下交差点を左折すると
今旅最初の目的地、「根岸森林公園」に到着した。

この公園は、1866年に誕生した日本初の洋式競馬場「根岸競馬場」の跡地。
昭和5年(1930年)に建てられた「一等観覧席」が現在も威容を誇っている。


根岸競馬場(横浜競馬場)一等観覧席(横浜市中区根岸台:神奈川)

根岸競馬場は昭和18年、戦争のため閉鎖、敗戦後は米軍に接収された。
現在は接収解除されているが、建物の裏手には米軍施設があり立ち入ることはできない。
設計者はJ・H・モーガンという人。
横浜では他にもいくつもの近代建築を手がけた有名人らしいです。
数年前から見たくてたまらなかったこの建物。
廃墟となってなお威厳を失っていない、えもいわれぬド迫力に圧倒されました。いやぁ、来てよかった!


ガラス窓は板で塞がれている
写真を撮りまくっていたらカラスに襲われた・・・



数年前までは観覧席の屋根の骨組みがあったようだが、すでに撤去されていた
写真の右側に米軍の施設がある



周辺は公園に整備されている

感動の余韻も冷めやらぬまま、根岸台をあとにする。
現在午前5時半。
町が動き出す7時までに横浜港周辺の建築物を見て回りたかった。
根岸から20分ほどで、ランドマークタワーの聳える、いわゆる「みなとみらい21」地区に到着。

この、みなとみらい地区、桜木町駅周辺は、近代化遺産の宝庫。
桜木町駅は昔の横浜駅。明治5年、日本初の鉄道が走った駅だ。


左から、ランドマークタワー、クイーンズスクエア横浜(?)、帆船日本丸
みなとみらい21と桜木町駅を繋ぐ歩道から撮影



ドッグヤードガーデン(横浜市西区みなとみらい2丁目)
明治29年竣工の三菱造船のドッグを解体・復元。
ランドマークタワーの隣にあり、現在は休憩所、コンサート会場などに使われている



横浜税関・赤レンガ倉庫 ”ハマの赤レンガ”(横浜市中区新港)
明治44年と大正2年に建てられた2棟が、「赤レンガパーク」として近年オープン、
横浜の観光地のひとつに生まれ変わった



「象の鼻」突堤(横浜市中区海岸通り:神奈川)
安政4年(1857)横浜港が開港した時、造られた波止場
現在の象の鼻は、関東大震災後の復旧工事で造られたものらしい


横浜開港記念会館(横浜市中区本町:神奈川)
大正6年、開港50周年を記念して建てられた
国指定重要文化財



横浜郵船ビル(横浜市中区中区海岸通り:神奈川)
昭和11年築



旧横浜正金銀行/神奈川県歴史博物館(横浜市中区南仲通)
明治37年築 国指定重要文化財


ここまで回ったところで朝7時半。町が賑やかになってきた。
そろそろ次の目的地に行きますか!
みなとみらい地区から国道1号を少し走り、神奈川区浦島町で県道2号(綱島街道)へ。
この道は、横浜の中心部から東京都大田区方面へ抜ける主要道路のようだ。
平日なら大混雑だっただろうなー。
横浜市港北区を抜け、川崎市中原区へ。
そして多摩川を丸子橋で渡り、東京へ突入!!
今まで日本中をクルマで旅してきたが、東京都はなるべく避けるようなルートにしていた。
と言うより首都圏自体せいぜいスルーするくらいで、訪問地として選択したことは殆どなかった。
僕の頭の中の地図では東京周辺はブランクゾーン。

僕は地図が三度のメシより好きなんだが、唯一持っていなかった関東地方の道路地図を旅の数日前に購入。
おいおい聞いたこともない町がたくさんあるよー、なにこの町名、かっこいいなー行ってみてー、
などという普通の人では理解しがたい(?)嗜好と言うか趣味と言うか・・・。

まあ、何せ日本の人口の約3割(4100万人)が関東地方(東京、神奈川、茨城、栃木、群馬、埼玉)に住んでいるわけで、
しかし名古屋圏住人の僕にとって、関東は全く遠い存在の地域なわけで。
実際、都内を走っていて「六本木」「池袋」などテレビでお馴染みの地名の標識を見るだけで
おぉ、すげえさすがトーキョー!などと興奮しっぱなしの超おのぼりさん状態でした。

そんな東京23区に4代目の愛車マリノ号は初進出。
最初の区は大田区。都道311号環八通を左折。
有名なカンパチってやつだ!僕には刺身のカンパチのほうが馴染み深いぞ。
世田谷区との境あたりで再び左に折れ、田園調布駅に到着。


東急 田園調布駅(大田区田園調布3丁目:東京)
大正12年に建てられた駅舎は、1990年に取り壊されてしまったが、
2000年に復元された





田園調布という地名、関東在住でなくとも聞いたことがある人が大半だろう。
大正時代に造成された、郊外型住宅地の先駆け的な町。
「エトワール式」と呼ばれる放射状に伸びた道路、銀杏並木。そしてお金持ちや有名人の住む町。
駅前のベンチで、地元の人たちが談笑をしている。なんとはなしにセレブっぽいオーラが出ている。
屋根の剥げた小汚い三河ナンバーがロータリーを3周もしようもんなら、不審者に思われそうな雰囲気?
ていうか駐めるところがありそでないんだよー。
しかたなく駅横の交番前に横付けして、何食わぬ顔で駅に向かって歩き出す僕を
おまわりさんははたして見過ごしてくれなかった・・・。

「田園調布」は1丁目から5丁目まであり、他にも「田園調布本町」「玉川田園調布」「田園調布南」といった町もあるが、
駅前を中心とした「田園調布3丁目」が、いちばん豪邸の集まっている地域らしい。


駅舎からロータリーを撮影
ロータリーから放射状に道が伸びる



田園調布の銀杏並木


田園調布から少し北上し、目黒通りへ。ここは目黒区
次の目的地「目黒寄生虫館」の開館時間まで少し間があったので、碑文谷(ひもんや)池で一服。
カルガモの親子が仲良く泳いでいた。


目黒寄生虫館(目黒区下目黒4丁目:東京)

やってきました、寄生虫館。
知る人ぞ知るこのディープな博物館は、およそ1000点もの寄生虫の標本が展示されている、
世界で唯一の寄生虫博物館。しかも入館無料という太っ腹。
怖いモノ見たさでやってきた訳だが、僕はこういうキモ系は人一倍苦手なタイプなんです・・・。
もうね、初めのうちはまともに正視できなかったす。
でも写真だけはしっかり撮ってきたので、見たい方は下の写真をクリックして、どぞ。


画像をクリックすると、うどんが食べられなくなるよ


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